最近鑑賞した現代美術家について私的な観点での簡単な感想を述べたいと思います。
REBECCA HORN
先日、東京都現代美術館にて彼女の作品を初めて鑑賞させてもらった。主に立体作品がメインだったが中には映像を使ったインスタレーションのようなものまであり、私的には結構楽しめた展覧会だった。
彼女の作品の魅力の一つとしてあげられるのが、「私にとって彫刻とは動いていなければならない。」と自身の作品のコンセプトについて語っている通り、すべての作品が何らかの形で動作しているということだ。ほんの小さな微々たる動きでしかないが、その微妙さ加減がまた静的な印象を持つ彼女の作品と非常にマッチしている。
Cecil Balmond
こちらは現代美術家ではないが、デザイナーとしては非常に現代美術家に似た性格を持った人だと思います。例えば、アルファベットの「x」のような形をした金属プレートが縦に伸びるチェーン等間隔に一コマづつ刺さり、まるでチェーンが自立しているかのような反重力的構造物(とはいってももちろん錯覚だが)を作り出す様は圧巻だった。また建築デザイナーということもあり、数学的見地に基づいた基礎作りというのに長けているところも素晴らしい。東京オペラシティでの展覧会は新年早々必見の展覧会と言えそうだ。
松井 冬子
近年現代美術業界を最も賑わせている日本画家の一人。私も個人的には一番注目している作家である。今回は素描展が九段の成山画廊で、本画の新作が一点だけ森美術館の「医学と芸術」展に出品されている。どちらも松井冬子らしい這うような描写と、今までにはない色使いで面白かった。素描には本画に勝るとも劣らない独特の魅力がある。私は注目する作家を大抵素描を見てから決める。上手い下手ではなく、素描はその作家の意とするものが最も確信をついたむき出しの真実の状態で表されていると私は思います。そういう点でこの展覧会は、作品を見に行くというよりかは松井冬子の世界を読み解くためのオープンなスペースと考えるのがいいと思います。
東京都現代美術館のコムデギャルソン展や、天明屋尚展、ヴァルナー・パントン展他色々見てきましたが、それはまたそのうち感想を述べようと思います。
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