2月がアッッという間にさようならしてしまいそうだ。
東京に行って家見つけて、ひたすら美術館巡りに奔走しながら頭はその後のオペラのお仕事で一杯でした。なぜならこれが最後の○井さん現場だから。
と○さんと○ムさんに紹介され、右も左も分からず舞台照明の世界に飛び込んだ俺を拾ってくれた○井さん。拾われて約3年、初めての現場はよさこい、しかも野外。しかも雨。それから怒濤のようにいろんな現場に連れてってもらったけど、やっぱり一番楽しかったのは京都芸大のオペラかな。やはり京都でこれ程の質のオペラはなかなか観れへんってのもあるし、○井さんが照明デザイナーであることを改めて感じられる舞台でもある。
それにここには若い力がたくさん溢れてて、GMや声楽科の学生がみんなで作り上げる舞台には毎年感動させられる。初めて手伝わせてもらったのは「さくらの船旅」、GMGオリジナルの作品だそうだ。その時はまだ舞台というものを少しばかり齧ったぺーぺーで、色々勉強させてもらったなぁ。
その年の声楽科オペラ、『魔笛』Die Zauberflöte K.620は今でも鮮明に思い出すことが出来る。京都会館第二ホールという最高のステージで袖から圧巻の歌唱力を目の当たりにした。特に夜の女王のアリア、「地獄の復讐が我が心にもえ」は凄い。こんな声を出せるソプラノの歌手がいることに感動。その時のモノスタトス役だった山○君、ザラストロの光に打ち負かされ消え去るという悲しい役柄だったねぇ。
去年の『ディドとエネアス〜海に騎り行く者達』は超暗いオペラにも関わらず、すばらしい存在感を放った魔女役○十○君、まさかあなたが今年の『劇場支配人』でもまさかの役柄でしたね。にしても、舞台八百屋奥で飼い殺しになっていた俺はその勇姿をゲネでは観れたけど、本番で観ることは出来ませんでした…。
今年の4回生オペラはモーツァルトの『フィガロの結婚』Le Nozze di Figaro K.492、プッチーニの『ラ・ボエーム』La Bohème 。どちらも見応えのあるとても良いステージでした。GMGで知った顔の方ばかりだったので、なんか感慨深いものがあった。
そして院オペ、モーツァルト『劇場支配人』と ピエトロ・マスカーニの『友人フリッツ L'amico Fritz 』。凄くテンポのよい劇場支配人の構成もさることながら、アダージョとかピアニッシモとか言いながら歌っている姿を、ドロップの裏で飼い殺しになりながら想像してました。そしてフリッツ、なんかトレンディドラマか!?と思う構成やけど、クライマックスにフリッツとスゼルが抱き合う場面は涙もの、そしてダヴィッド役の方がメイクしたら小泉元首相に激似やったことも、ある種の涙ものでした。フリッツが舞台袖で喉を潤しながら「もう一杯!」と囁いた時は笑いを堪えきれませんでした。そして、浮かばれない役が多かった山○君についにスゼルとの春が訪れるのでした。
そうして俺の舞台照明活動が終わったとさ。ほんといろんな経験させてもらえたのも良かったし、何よりオペラと言う総合芸術の舞台に微力ながら参加できたことに感謝の気持ちで一杯です。またいつかこんな機会があれば良いなとマジで思います。
PS, 写真は東京の美術館で観て来た、現代美術家ビル・ヴィオラの「追憶の五重奏」。上記とは全く関係がないけど…。こんな風に一秒間を感じれたら幸せなんやろな〜。
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